安藤優花

ファッションデザイナー

YUKA ANDO

2013年卒

visual

客さまが服選びで迷ったとき
最初に手に取りたくなるかわいい商品をつくること
目標はそれに尽きると思っています

パターンの美しさ、上質な素材、丁寧なものづくりでコアなファンを持つ人気ブランド「Lois CRAYON」で、安藤さんは2013年からデザイナーとして働いています。学生時代から大好きだったブランドで、念願の就職先でした。入社2年目に布帛(ふはく=織物生地)商品からニット・カットソー商品のデザイナーに抜擢され、慣れ親しんできた生地ではなく、糸選びから始まる商品づくりの難しさに直面したという安藤さん。「今もまだ勉強中です」と言いながらも、デザインした商品の販売が好調で社内で賞を取ったことも。そんな安藤さんの学生時代と仕事について伺いました。

ショーに出たいではなくつくりたいだった

スポーツ少女だった安藤さんの転機は小学校6年の時。従姉が連れていってくれたファッション誌主催のショーで、そのキラキラした世界に一瞬で魅了されたそう。「ドレスをつくりたい」。夢が芽生えた瞬間でした。

もともと絵を描くことやモノづくりは好きな方でしたが、おしゃれには特に興味がなかったんです。それがファッションショーを見に行ったことで、「またショーに行きたいからおしゃれしたい」と思うようになって、服が好きになっていきました。その頃はさすがに服づくりまではいかなかったですけど、ミシンを使って小物をつくったり、刺繍が好きだったので図書館で本を借りてきてつくっていましたね。デザイナーになろうと決めてからは、専門学校をたくさんチェックしました。武蔵野を選んだのは、少人数で担任制だったから。先生の目が行き届くので、勉強が遅れる心配がないかなと思ったんです。通学は1時間半かかりましたが、その時間はファッション誌を読んだり、デザインを考える時間にしていました。在学中はコンテスト活動に力を入れていたので、とにかく服をつくりましたね。約2ヵ月半の期間に20着の服をつくると決めた時は、周りから「本当にできるの?」と言われながら、早朝から夜遅くまで学校にいたことも…。そんな私に付き合って作業をサポートしてくれた先生の存在は、本当にありがたかったです。あの自己最高記録の服づくりは、最高の思い出ですね。

販売員を経て念願のデザイナーの道へ

武蔵野で2年間ファッションを学び、大好きだったブランド「Lois CRAYON(ロイスクレヨン)」の門を叩いた安藤さんでしたが、結果はあえなく不合格…。そこで1年間は、別会社のショップで販売員の経験を積みました。

販売の仕事は、かけがえのない経験になりましたよ。現場でさまざまな商品に触れることで改めて「デザイナーってすごい仕事だな」と思ったし、お客さまから商品に対する意見を得て、やっぱりもう一度デザイナー職に挑戦したい、と。それで貯金を学費にして武蔵野のファッションマスター科に進学したんです。その1年後、再度Lois CRAYONのデザイナー職に挑戦してついに内定を頂きました。最初は布帛(ふはく=織物生地)商品のデザイナーとして働いていましたが、今はニット・カットソー商品のデザインを担当しています。ニットは糸選びから始まりますが、綿やウールなど素材の混率でも見え方が変わるので、当初は「この糸でつくったらどう見える?」と仕上がりのイメージがつかめず苦戦しました。想像と違う商品がサンプルであがってくることも多々ありましたし…。これだ!と思える糸を見つけるのは大変な作業ですね。また、季節を数カ月先取りして色や素材を調整しながら商品をデザインする難しさもありますし、時代の空気感を読む市場調査も欠かせません。休日はハイブランドからファストブランドまで回り、素材感や縫製の仕方、価格などをウィンドウショッピングがてらリサーチしています。

かわいい服をつくってくれてありがとうに感激

Lois CRAYONでは、毎月デザイナーも販売員として一度はショップに立ち、お客さまから直接得た意見を吸収して次の服づくりに活かしているそうです。「お客さまの反応が励みになるんですよ」と安藤さんは言います。 

ショップではお客様からリアルな意見を聞けるので、すごくためになりますね。例えば、丈感について。人によって着丈の好みは違いますが、実際に試着姿を拝見することで、「次はこんな長さにしよう」と思うことがあります。ほかにも、ショップが思っていたより暗くて「服の色をもう少し明るめにしよう」など、現場ならではの発見もありますよ。自分がつくった商品がたくさん売れて賞を頂けることもうれしいですけど、ショップでお客様から「こんなかわいい商品をつくってくれてありがとう」と言われた時は、めちゃくちゃうれしかったです。今までもこれからも、私の目標は「お客さまが真っ先に手に取りたくなるようなかわいい服をつくる」、それに尽きると思っています。いつかは自分でコンセプトを決めて、ブランドをつくりあげてみたいですね。これからデザイナーを目指す学生の方には、学校でたくさんの種類の生地を使って、いろんな作品をいっぱいつくってほしいと思います。生地をよく知ることは大切です。また、イメージを伝える力、プレゼン能力もデザイナーには重要な要素なので、武蔵野の大勢の前で話すプレゼン授業は必ず仕事で役立つと思いますよ。

武蔵野ファッションカレッジの教育の特色

考える−多様な視点で考え抜く大切さを学ぶ。

  • イメージを相手に伝えやすい、的確な描き方を身に付ける。

    「デザイン画」

    自分のイメージを的確に伝え、商品の企画開発に必要なデザイン画の描き方を学びます。人体のバランスや線の太さ、素材感や陰影表現など効果的なプレゼンに役立ちます。

  • 企業と同じ共同作業。デザインと販売、両者合同の企画会議。

    「プランニング(ショップ準備)」

    学生主体で運営する原宿の期間限定shop「incubate」で販売する服は、企画会議にデザイン担当、販売担当の学生全員が参加。企業と同じような共同作業を通してプランニングします。

  • 自分で設定した課題を製作し、ショーやショップに出品する。

    「ファッションリサーチ」

    自分でテーマを設定し、デザイナーらしい自由な発想で取り組む課題製作です。独自性と同時に計画的に物事を進める力を養い、ショーやショップへの出品を目指します。